蹲踞かいつくば)” の例文
坊さんも坊さんなら、居士も居士だと思つた。で、いぬのやうに次ぎの蹲踞かいつくばつて訳を訊くと居士はけろりとした顔で言つた。
有松氏はずつと前から、自分の管内にさういふ忠実まめな狗が居る事を自慢にしてゐた。で、その日も出迎への俥の先に蹲踞かいつくばつてゐるたくましい狗を見ると
日はとつぷり暮れて、四辺あたりは闇になつてゐた。その闇のなかを鼻唄で帰つて来たのは、昼間の漁師だつた。漁師は暗闇のなかに木の株のやうに蹲踞かいつくばつてゐる男を覗き込んだ。