親密したしみ)” の例文
大塚さんは彼女を放擲うっちゃらかしてかまわずに置いた日のことを考えた。あらゆる夫婦らしい親密したしみ快楽たのしみも行って了ったことを考えた。
刺繍 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すると紳士も舌を出して親密したしみの礼を返えしたが、やがて流暢な西蔵語で老人に物を尋ねるのであった。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
急に二人は親密したしみを増したやうな心地こゝろもちもしたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)