見当違けんとうちが)” の例文
旧字:見當違
一本で夫程それほど長く使えるものが日に百本も出ると云えば万年筆を需用する人の範囲は非常な勢をもって広がりつつあると見ても満更まんざら見当違けんとうちがいの観察とも云われない様である。
余と万年筆 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もっともここに見当違けんとうちがいの批評と云うのは、美をあらわした作物を見て、ここには真がないと否定する意味ではない。真がないから駄目だ作物にならんと云う批評を云うのである。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)