覆奏カヘリマヲシ)” の例文
所謂天つ祝詞の部分に於いて、発唱者と被唱者との間に問答が行はれた事は、祝詞に於ける所謂、返し祝詞或は覆奏カヘリマヲシの存在によつて知る事が出来る。
だから、正確に信仰上の事実として云へば、春天降アモられた日の御子が、ハツ春のみことをみこともつて、扨、秋に至つて、みこともつた事の結果の覆奏カヘリマヲシをなされる。
櫛真智は奇兆クシマチで、卜象其物或は、卜象を出す神であらう。「亀卜祭文」と言ふは、亀卜の亀のした覆奏カヘリマヲシの形式の変形と見るべきもので、此に対しての呪言を求めれば、中臣太詔詞の外はない。
年頭の朝賀の式は、段々、氏々の代表者の賀正事ヨゴト(天子の寿を賀する詞)奏上を重く見る様になつたが、恒例の大事の詔旨は、此受朝の際に行はれた。賀正事ヨゴトは、詔旨に対する覆奏カヘリマヲシなのであつた。