“補片”の読み方と例文
読み方割合
つぎ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてその補片つぎが、耳を引っ張られるときのゆるめになるにちがいないのである。そんなわけで、耳を引っ張られることに関しては、猫はいたって平気だ。
愛撫 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
飢餓は竿や綱にぶら下っているみすぼらしい衣服の中に入って高い家々から突き出されていた。飢餓は藁と襤褸と木材と紙とで補片つぎをあてられてその家々の中へ入っていた。
その破れた箇所には、また巧妙な補片つぎが当っていて、まったくそれは、創造説を信じる人にとっても進化論を信じる人にとっても、不可思議な、滑稽な耳たるを失わない。
愛撫 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)