袿姿うちぎすがた)” の例文
そこの柱の所にいた女房などもただあわてるだけでおじけ上がっている。几帳より少し奥の所に袿姿うちぎすがたで立っている人があった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
中宮の留守のために裳もつけず袿姿うちぎすがたで立っているのは、いかにも不調和で口惜しい
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
何事であろうと思って、暗い室へ手探りではいると、袿姿うちぎすがたの男がよい香をたてて姫君の横で寝ていた。右近はすぐに例のお癖を宮がお出しになったのであろうとさとった。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)