袷衣あわせぎぬ)” の例文
袷衣あわせぎぬ一枚の全身にチクチク刺さる松や竹の枝、あらわな向うずねから内股をガリガリと引っ掻き突刺す草や木の刺針の行列の痛さを構わずに、盲滅法に前進した。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ママずきやら筒長の提灯の蔭のショーウヰンドウには、活動の人気俳優がふだん着に着て、そこらを散歩しそうな袷衣あわせぎぬをマネキン人形に着付けさしたものが
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)