“蠋”の読み方と例文
読み方割合
いもむし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いもむしのやうな惡黨だつたよ。生きてゐたら四十五六かな、まだ大した年ぢやない筈だが、手紙の書きつ振りは巫山戯ふざけてゐるくせに愚痴ぐちつぽいところがある。
山の間で、鹿の脂肪層にいもむしのやうな寄生虫がわきはじめると、国境にも春が来たのだ。河原の楊はいつせいに煙り、鵲は朝から、遅まきながら長い尾を振る。
測量船拾遺 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
手前勘なればこそ、杓子定規なればこそ理想をいとへ。いもむしを昆蟲なりといひ、つたなき小説家を固有派なりといふときは、其際におのづから褒貶存ず。是れ演繹的批評ならざらむやは。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)