虚脱きょだつ)” の例文
茫然ぼうぜんとした虚脱きょだつの状態ですわっていたかと思うと、突然飛上り、傷ついた獣のごとくうめきながら暗く暖かい室の中を歩きまわる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そしてだんだん虚脱きょだつに似た無批判になってゆく心境のなかにいつか涼しい一脈の境界がとおって来た。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
次郎が虚脱きょだつした眼でかれの顔を見つめていると
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)