蘭薬らんやく)” の例文
「で、やっと、蘭薬らんやくのしびれ薬にあてられたものと診断がついてな、そのような手当を加え、なんのこともなく気がついておる」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それが、ちとむずかしい蘭薬らんやく調ちょうじ合せをいたしますため、薬名や何かも、自分でなければなりませぬので」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘭薬らんやくを試み、いろいろ手当てを尽くしてみましたが、まだ幾分か乱心のところがあって、時折狂いだしまする。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「蘚伯さまがしきりに考えているのを、無理に説いて貰っておきました。強い蘭薬らんやくということでござりますゆえ、分量を間違えぬようにと、くれぐれ申し残しましてござります」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、狼の火と書いて、のろしと読ませるのもそのわけですが、今ではあて字にもなりません。長崎からはいる蘭薬らんやくを二、三種あわせると無音狼火のろしでも音のするのでも自由に簡単に造られる。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)