藤本ふじもと)” の例文
其の中で藤本ふじもとと云う鰻屋で料理を致すうちが有ります。六斎が引けますると、茂之助は何日いつ其家そこへ往って泊りますが、一体贅沢者で、田舎の肴は喰えないなどと云う事を平生ふだん申して居ります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
藤本ふじもとという、土地では看板の古い家で、通りから少し入り込んだ路次の一軒建てであったが、下の広々した玄関の上がり口の奥に、十畳の部屋があり、簿記台や長火鉢ながひばち、電話も廊下につけてあり
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)