藍青らんせい)” の例文
一種、郷土玩具おみやげおもちゃの手頃な獅子があって、素材しらきづくりはもとより、漆黒で青い瞳、銀のきば、白い毛。朱丹にして、玉の瞳、金の牙、黒い毛。藍青らんせいにして、黒い牙、赤い毛。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
濶葉樹かつようじゅのすき間にちらついていた空は藍青らんせいに変り、重なった葉裏にも黒いかげが漂っていた。進んで行く渓谷にはいち早く宵闇がおとずれている。足もとの水は蹴立けたてられて白く泡立った。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)