蕃書ばんしょ)” の例文
昨日まで読むことを禁じられてあった蕃書ばんしょも訳され、昨日まで遠ざけられた洋学者も世に出られることとなると、かつて儒仏の道の栄えたように
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蘆洲と共に六名家の詩を編選した真下晩菘は蕃書ばんしょ取調所の役人で、この時年六十二である。その伝は大正三年坂本三郎氏の著した『晩菘余影』に細説せられている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
蕃書ばんしょ調所は洋書調所(開成所、後の帝国大学の前身)と改称される。江戸の講武所こうぶしょにおける弓術や犬追物いぬおうものなぞのけいこは廃されて、歩兵、騎兵、砲兵の三兵が設けられる。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼らは早く西洋の事情に通じる境涯にも置かれてあって、幕府の洋書取調所(蕃書ばんしょ取調所の後身)に関係のあったものもあり、横浜開港場の空気に触れる機会の多かったものもある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
蕃書ばんしょは禁じて読ませない、洋学者は遠ざけて近づけない、その方針をよいとしたばかりじゃありません、国内の人材まで鎖攘してしまった。御覧なさい、前には高橋作左衛門を鎖攘する。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)