蔽冠おほひかぶ)” の例文
空が曇つてぽつり/\降り出した雨が、蔽冠おほひかぶさる櫻の花に遮られて、それほどには着物を濡さぬのを幸ひと、の十二時過ぎ向島の長堤ちやうてい木母寺もくぼじ近くまで歩いた事があつた。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)