その部屋へやから、なかば身をさしだして、音のした池のをながめたのは、やかた菊亭右大臣晴季公きくていうだいじんはるすえこうで、そのまえには、さっきのそうのひとりが対坐たいざし、ふたりの僧は、すえのほうにひかえているらしかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)