莎草くぐ)” の例文
ただ袖中抄を引いて莎草くぐを編みて袋にしたるをくぐつというとのみあって、その語と傀儡子との関係には及んでいないのである。
出津の野は莎草くぐの芽あかし芹摘むとそこらここらを吾がかがみつつ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
莎草くぐの名がもとで袋のクグツが起り、袋のクグツから浮浪民にクグツの称が起ったのか、或いは浮浪民をクグツと呼んだのが本でクグツ袋の名が起り
莎草くぐべにいまだするどし七面鳥もそろあゆみぬ蹴爪けづめをちぢめて
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そのクグすなわち莎草との関係については、莎草くぐで編んだが故に袋にクグツという名が出来たとは、既に柳田君も疑われた如くちと受取りにくい点がある。
莎草くぐの原昼もかなしと母が目をれつつこもる夏ぞ来向ふ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)