“荒川堤”の読み方と例文
読み方割合
あらかわづつみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ツイ十日ばかり前から、荒川堤あらかわづつみで狐の嫁入がチョイチョイおこなわれるんですよ」
荒川堤あらかわづつみの南岸浮間うきまはらには野生の桜草が多くあったのを聞きつたえて、草鞋わらじばきで採集に出かけた。この浮間ヶ原も今は工場の多い板橋区内の陋巷ろうこうとなり、桜草のことを言う人もない。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
荒川堤あらかわづつみへ花見に行った帰り途から何らの予告なしに突発した当時の疼痛とうつうについて、彼は全くの盲目漢めくらであった。その原因はあらゆる想像のほかにあった。不思議というよりもむしろ恐ろしかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)