一つは鳥取県のある山村だけでいたことだが、蓆旗むしろばたといって五月の節供せっくのまえの晩、子どもが欲しいのに産まれないという家の前に、若者連中わかものれんじゅうがこっそりとやってきて
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)