若干金いくら)” の例文
しかもその日、晩飯を食わせられる時、道具屋が、めじの刺身を一臠ひときれはしで挟んで、鼻のさきへぶらさげて、東京じゃ、これが一皿、じゃあない、一臠、若干金いくらにつく。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若干金いくらか、旅費を出して、東京から私を呼ぶったって……この土地の人は、土地流の、土地能の、土地節の、土地謡の方が大した自慢でね、時々九段や、猿楽町……震災で焼けたけれど
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若干金いくらでも。」と待合の女中にささやく。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)