若公達わかきんだち)” の例文
まりに夢中でいる若公達わかきんだちが桜の散るのにも頓着とんちゃくしていぬふうな庭を見ることに身が入って、女房たちはまだ端の上がった御簾に気がつかないらしい。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
年齢よりも大人おとなびて感じのよい若公達わかきんだちになっていて、将来の有望なことが今から思われる風貌ふうぼうの備わった人であるのを、尚侍は婿にしてみたいように思っていた。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
まだ小柄な美少年は、若公達わかきんだちらしく御所の中を遊びまわっていた。帝をはじめとしてこの人をお愛しになる方が多く、ほかには類もないような御恩寵おんちょうを若君は身に負っているのであった。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)