苞入つとい)” の例文
と頼朝のおもてをしげしげ見直し、苞入つといりの刀を彼の手へもどすと、名も告げずに立去ってしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同時に、背中から頭高にかかった、雨と露とほこりで汚れた、あやめもわかぬ袋入りの琵琶というものの存在が消滅して、その代りに、わら苞入つといりの四角な横長の箱と覚しきものを背負っている。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)