舅姑しゅうとしゅうとめ)” の例文
人はお嫁にいってから家政に苦労するのに、自分は反対に小娘の時から舅姑しゅうとしゅうとめのような父母に仕えてあらゆる気苦労と労働とをしていた。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
そうして舅姑しゅうとしゅうとめの葬式の日に、始めて一世一代の晴着をすると、ここでも謂いまた伊豆大島でも謂っていた。すなわちこの日が主婦の就任式であったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうするのはやはり普通の世間の令嬢のような、舅姑しゅうとしゅうとめにも柔順で、生活も質素な幾年かを、じっと辛抱しなければならないのであった。恋愛だけを切り放して考えることもできなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)