腹立ふくりゅう)” の例文
「いや、これは恐縮。……ご腹立ふくりゅうでは恐れいるが、しかし、どうもチトとぼけているな。……ひょろ松、お前そう思わないか」
顎十郎捕物帳:15 日高川 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
其処そこの道理を推測おしはかって見ますと、尊公の腹立ふくりゅう致さるゝ処は至極何うも是は沈黙千万たるの理合りあいにあらずんば有るべからず
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「これは恐れ入る。ご腹立ふくりゅうのように見受けますが、手前の申したことが、お気にさわりましたか」
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)