背戸庭せどにわ)” の例文
山気さんきみどりに滴って、詣ずるものの袖は墨染のようだのに、向った背戸庭せどにわは、一杯の日あたりの、ほかほかとした裏縁の障子の開いた壁際は、留守居かと思う質素な老僧が、小机にむかい、つぐなんで
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)