聘物へいもつ)” の例文
趙という富豪の才子があって、父親が亡くなったので母親と二人で暮していたが、愛卿の才色を慕うのあまり、聘物へいもつを惜まずに迎えて夫人とした。
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「三軍の懼の中に、淫らなる喜びの色が漂うとは、不思議なる哉。」巫臣は鄭に着くと、副使に聘物へいもつを持って楚に帰らせ、自分は独り、夏姫を連れて去った。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)