老父ちち)” の例文
うちのものたちが、土手のはずれの方へいって、ワイワイ騒いでいるのだった。老父ちちも座敷の前の庭を横ぎっていった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ステレオを購ひしと告ぐる老父ちちの笑み詫ぶべきわれを明るくしたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
金策に出でてひねもす歸らざる老父ちちを思ひつつ夜の戸とざす
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
御維新後に、日本橋の川からこっちだけが、神田明神の氏子になったのだと、老父ちちが教えてくれた。
来ると云ふ老父ちちを待ち佗び夜通しを鳴く虫の音に聴き入りにけり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
柿の實の初生り賣りて得し金を神にそなへて額づくわが老父ちち
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
と、言いながら、鼓村さんは庭下駄をつッかけて、老父ちちのあとへ附いていった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
せなを見せ帰りゆく老父ちちドアに来てつまづくときをへだつ金網あみあり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
以下は老父ちちの昔語り——