縁喜物えんぎもの)” の例文
縁喜物えんぎものを裏返しに掛けるあわて者がどこの世界にあるものか——空樽を踏台にして、やっと手の届くところだから、子供のしたことじゃねえ」
一草ごとに三、四寸ばかりの札を立て添へたり。正面に亀野座かめのざといふ札あるはすみれごとき草なり。こはほとけとあるべきを縁喜物えんぎものなれば仏の字を忌みたる植木師のわざなるべし。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)