経帷子きやうかたびら)” の例文
旧字:經帷子
外から誰でもわし達を見る人があつたなら、其人はわし達を神の僧侶と思ふよりは寧ろ涜神の痴者しれもの経帷子きやうかたびらを盗む者と思つたに相違ない。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
沼のほとりでだつたらうか、いよいよはでになるといふのでしかたなしに著はじめると間もなく飛田はそのお揃ひのひとへを経帷子きやうかたびらにきかへた。
きもの (新字旧仮名) / 中勘助(著)
青ざめた経帷子きやうかたびらを青ざめた身に纏つて、頬に「死」の紫を印した前夜とは変つて、喜ばしげに活々して、緑がかつた董色の派出な旅行服の、金のレースで縁をとつたのを着て
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
貴方あなたが私のものになる思召しなら、私は貴方を天国にゐる神様より仕合せにしてあげます。天使たちでさへ貴方を嫉むでせう。貴方は貴方を包まうとする経帷子きやうかたびらを裂いておしまひなさい。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)