素見すけん)” の例文
……店頭みせさきをすとすと離れ際に、「帰途かえりに寄るよ。」はいささか珍だ。白い妾に対してだけに、河岸の張見世はりみせ素見すけん台辞せりふだ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この路地の中にはすぐ伏見稲荷の汚れたのぼりが見えるが、素見すけんぞめきの客は気がつかないらしく、人の出入は他の路地口に比べると至って少ない。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)