紀元きげん)” の例文
中川紀元きげん氏の今年の裸体は去年のほどおぞましく恐ろしくはない。わざとらしさが少しけ抜けたせいか、それとも此方こちらの眼が少し教育されて来たせいかもしれない。
二科会その他 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かくして西暦せいれき紀元きげん千七百五十五年せんしちひやくごじゆうごねんのリスボン地震ぢしん記事きじがよく了解りようかいせられる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
中川紀元きげん氏の裸体画を見ていると、何だかある甲虫を聯想するが、何だという事が、はっきり思い出せない。この聯想はあるいは主としてあの女の右の足から来るのかもしれない。
二科会展覧会雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)