「たしかに、感興にまかせて深入りしすぎたようです。しかし、これも、研究に対するわたしの素朴な精神昂揚エフクタルザシォンによることで、それについては、みずから少々慰める点もありますが、実際問題のほうは、二進も三進もゆかないところへきているんです」
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)