穴山彦あなやまびこ)” の例文
たび呼びたてましたものの、自分の声がガァーンと穴山彦あなやまびこに変ってくるだけで、かれの返辞もなければ、あれ程な群盗が息を殺していようとも思われない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、固い言葉で、続けざまに呼び立てて入ったが、深い闇は冷々れいれいとなんの答えも与えない。奥のほうからガアーンと返ってくるのは、おのれの口真似まねをする穴山彦あなやまびこ
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)