種畜場しゅちくじょう)” の例文
種畜場しゅちくじょう近郷きんごうの農家から、牛がすこしわるいからきてくれの、碁会ごかいをやるからきてくれのとしきりにいうてきたけれど、いっさい村落そんらくへでなかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
糟谷は種畜場しゅちくじょうにおって、公務こうむをとるよりは、村落そんらくへでて農民を相手に働くのが、いつも愉快ゆかいに思われてきた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
里塚りづか界隈かいわいでの富豪ふごうの長女が、なんだってただの一獣医じゅういつまとなったか、たとい種畜場しゅちくじょうはやめても東京へでたらば高等官こうとうかんのはしくれぐらいにはなっておれることと思っておった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)