秦皮樹とねりこ)” の例文
女は藍いろの湖のような眼を持って、野の秦皮樹とねりこの赤銅いろの実のように赤い髪をながく房々と垂らして、クリームのように肌しろい女であった。
御師匠様、此長い間の断食と、日が暮れてから秦皮樹とねりこの杖で、山の中や、榛と檞との中に住む物を御招きになる戒行とは、あなたの御力には及ばない事でござります。
私は郵便局のとなりの小さな毛皮店で、もう店をしめるといふものだから、なんといふことなしに、つい栗鼠の毛皮を一枚と、秦皮樹とねりこのステッキを買つてしまひました。
匈奴の森など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
僕は秦皮樹とねりこのステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。
蜃気楼 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)