“禾堆（いなむら）” の例文
なかでもつい四五日まえに刈り入れの済んだ乾草が、禾堆（いなむら）をなして並んでいる庭の草場は、またひとしおの暑さでありました。
夢がたり (新字新仮名) ／ フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン(著)
乾草も穀類も腐ってしまい、穀堆（こくづか）や禾堆（いなむら）はキャベツでも作るのに持ってこいの、申し分のない堆肥に変ってしまった。
死せる魂：01 または　チチコフの遍歴　第一部　第一分冊 (新字新仮名) ／ ニコライ・ゴーゴリ(著)
しかし牛、羊、乾草及び穀物の禾堆（いなむら）、荷車等から成る資本は引去られ得る。
経済学及び課税の諸原理 (新字新仮名) ／ デイヴィッド・リカード(著)
鴨の群れはまだ土地（ところ）の沼地に群れてゐたが、鷦鷯（みそさざい）はもう影も見せなかつた。曠野（ステッピ）は一面に赤くなつた。そこここに穀類の禾堆（いなむら）が、ちやうど哥薩克の帽子のやうに野づらに点々と連なつてゐた。
ディカーニカ近郷夜話　前篇：04 イワン・クパーラの前夜 (新字旧仮名) ／ ニコライ・ゴーゴリ(著)