神像しんぞう)” の例文
しかも今宵こよいは新月がのぼった夜のこととて、くずれた土台やむなしく空をささえている一本の太い柱や首も手もない神像しんぞうが、冷たく日光を反射しながら、聞えぬ声をふりしぼって泣いているように見えた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)