碧色みどりいろ)” の例文
碧色みどりいろの艶をさへ帶び、娘の蒼白い顏は、不意を喰つたにしては、少し深刻な恐怖を刻んで、美しさを破壞しない程度乍らも、物凄くゆがんで居ります。
傾いた陽が斜めからさして、透明な碧色みどりいろにぼかされた山なみの上に、蔵王の雪が鴇色ときいろに輝いていた。
頸動脈けいどうみゃくから噴出ふきだした血は、首から襟へ胸へと、ほとんど半身をひたして、碧色みどりいろの艶をさえ帯び、娘の蒼白い顔は、不意を喰ったにしては、少し深刻な恐怖を刻んで、美しさを破壊しない程度ながらも
碧色みどりいろに光つて居ります。
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)