石礫いしころ)” の例文
それに答えているうちに、車はカーブを切って石礫いしころだらけの山角やまかどを曲って、到頭姿は見えなくなってしまいました。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
竹藪を通り抜けて、畑の横の石礫いしころ道を過ぎて胸を衝くような急坂を登り、さっきから三、四里余りの道も歩いて、もう時刻は十二時頃を、過ぎていたでしょう。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
昼でも暗い鬱蒼うっそうたる竹藪たけやぶに沿うて石礫いしころだらけの坂道を登って行くと、石垣を畳んだ大きな土手の上には黄楊つげの垣根が竹藪と並行に小一町ばかりも続いているのです。
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
私もまた口を利かず、人っ子一人行き逢わぬ、石礫いしころだらけの山道を登り始めたのです。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
一つは石礫いしころの多い山坂道を右の方へと分け入って行く。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)