着物べべ)” の例文
子供のころ金魚が好きでよく金魚鉢から金魚をすくい出してそれに赤い着物べべをきせたりし、母に見つかって大目玉を頂戴したものである。
棲霞軒雑記 (新字新仮名) / 上村松園(著)
岸和田で降りて二里の道あるいて六貫村へ着物べべ売りに来ると、きまって現糞わるく雨が降って、雨男である。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「あたい、自分の物なんか何もいらないの。お人形も、お着物べべもいらないから、そのチョビ安兄ちゃんのおとっちゃんとおっかちゃんを、探しだしてくださらない?」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「さ、あて着物べべかえさしてもらお」
高台寺 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「それでは金魚可愛がったことにならへんやないか。金魚はハダカでいても風邪ひかんもんやよって、着物べべぬがしておやり」
棲霞軒雑記 (新字新仮名) / 上村松園(著)
白い着物べべきて朝から晩まで湯にはいり
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)