相不變あひかはらず)” の例文
新字:相不変
志田君は、盃を下にも置かず、相不變あひかはらず愛嬌を振舞いて居たが、お酌に𢌞つて來た市子を捉へて私の前に坐らせ、兩手の盃を一つ私にして
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
成程猿の方は、かやうに間もなく、皆のものに可愛がられるやうになりましたが、肝腎の良秀はやはり誰にでも嫌はれて、相不變あひかはらず陰へまはつては、猿秀呼りをされて居りました。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
馬は平氣で濡れた砂の上を進んで來る。復浪が來て、今度は馬の腹まで噛まうとする。馬はそれでも平氣である。相不變あひかはらずズン/\進んで來る。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)