白茅ちがや)” の例文
そうして、間もなく、泉の水面に映っている白茅ちがやの一列が裂かれたとき、そこにはつるの切れた短弓を握った一人の若者が立っていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
落ち葉はじめじめと朽ちて厚く散り重なって、白茅ちがや青萱あおがやの足の踏み場もないまでにはびこり放題蓬々ぼうぼうとはびこっていた。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
と、原のすそから白茅ちがやを踏んで一団の兵士が現れた。彼らは一列に並んだまま、裾から二人の方へ締め上げる袋のひものように進んで来た。訶和郎は再び鹿の後から頂上へ馳け戻った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)