白楊樹ポプラ)” の例文
そこで彼の若い心のさまざまの夢想は形成された。——霧に包まれた白楊樹ポプラやこんもりした茂みや柳の樹のある牧場は憧れ心地をもって河の水を泳いでいるように見える。
ここには五六人の人が車を待っていた。わたくしはこの停留場でもむなしく三四台の車を行きすごさせ、唯茫然ぼうぜんとして、白楊樹ポプラの立ちならぶ表通と、横町の角に沿うた広い空地の方を眺めた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)