癆咳病ろうがいや)” の例文
離してみると、紙ににじんだ桃色のつば——人にきらわれる癆咳病ろうがいやみの血——。だが、彼女の目には若い血のうずきがそこへ出たかと見える。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とにかくこの三ごうの土地をうろうろしているに違えねえので、年は二十四、五だろうが、それよりはグッと若く見えて、癆咳病ろうがいやみですから、色はすきとおるほど白く、姿は柳腰やなぎごしというやつ。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)