瘠土やせつち)” の例文
気候、雑草、荒廃、瘠土やせつちなどを相手に、秋の一日ひとひの烈しい労働が今は最早もう始まるのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
頭がようやく冴えて来た、足許の岩では、偃松が近くは緑に、遠くはくらくなって、ねっている、天外絶域の、荒れはてた瘠土やせつちにまで、漂って来た、緑の垂直的終点を、私は今踏んでいるのだ。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)