疣尻巻いぼじりまき)” の例文
旧字:疣尻卷
白粉おしろいっ気なしの疣尻巻いぼじりまき、投げやりな様子も、一種の魅力で、両国中の客をここへ吸い寄せたのは、何としても普賢菩薩のせいばかりではないようです。
肩も膝も抜けた素袷すあわせ、よれよれの帯を締めて、素足に冷飯草履、ほこりだらけな髪を引詰めて疣尻巻いぼじりまきにし、白粉の気が微塵みじんもないのに、つやの良い玉のような顔の色は
「もうたくさんだ、帰ってくれ。——水本賀奈女にそう言うがいい、踊の師匠の看板を外して、紅白粉べにおしろいを洗い落し、疣尻巻いぼじりまきにして賃仕事でも始めてみろとな。世の中に怖いことがなくなるぜ」