疏通はけ)” の例文
疏通はけ口を求めて得られぬ流れにも似てゐた。それまで彼は周圍の喧噪に對して、自ら努力して眼を覆ひ、耳をふさいで來たのであつた。
生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
そこは多分、社家の粉場こなばと呼ぶ所でしょう。河原口から疏通はけて来る数条の引き水が流れ、流れに添って、四、五軒の水車小屋がかたまッている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ですから憎悪はお互の胸に張り切れるほど溜まっていても疏通はけ口がないため益々溜まる。溜まれば溜まるほど内訌する。どうで最後は解かっています。
死の復讐 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかしこのやうな情熱のための疏通はけ口も亦ない。だからかの政治の汚濁に塗れることを肯んじないものは、デカダンにでも落ち込むのほかはない。これは僕だけの問題ではない。
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)