ばく)” の例文
ばくと名づくる獣の図を枕の下に置けば、悪夢の払いとなるなどは、みな人の心を安むるの目的にほかならざるなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
おかみさんだって顔がまるでばくのようで、立派なばけものでしたが、小さくてしわくちゃなフクジロを見ては、もうすっかりおびえあがってしまったのでした。
奇趾類とはその足趾の内、人間の中指に相応するやつが左右整等で、その他のどの趾よりも大きいので、ここにチタノテレス(全滅)、馬類、ばく類、さい類の四部あり。
犬に似て、犬よりはせている。ばくというものに似て、獏よりは残忍。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
南米のカリブ人最初天より地に降った時、カッサヴァや芭蕉など有用な植物は集って一大木に生じいた。ばく一番にこれを見付け、樹下に落る果実を飽くまで食って肥え太る。