獄舎ごくしゃ)” の例文
旧字:獄舍
「これで、わしはわしの信念に向ってすすむこと以外に、なんにも言うことはない。郁次郎は、それまで、獄舎ごくしゃに預けておく」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼女はこの邸が、獄舎ごくしゃであるのも忘れて、掻抱かきいだいては、よろこんだ。——お見せしたい、一目でも、かの君にと。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ウむ……。秩父の獄舎ごくしゃに送られて、今頃はさぞ難儀な目に遭っておいでだろう」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)