猖々緋しょうじょうひ)” の例文
へやの隅には二枚折りの金屏きんびょうに墨絵、その前には卓に鉢植の木瓜ぼけが一、二輪淡紅のつぼみをやぶっていた。純白な布の上におかれた、小花瓶の、猖々緋しょうじょうひの真紅の色を、見るともなく見詰めていた。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)