燕脂えんじ)” の例文
こんな塲合にも自分だけは見窄らしい風はしまいといふ樣に白粉くさい張り氣を作つて、自分の情緒を燕脂えんじのやうに彩らせやうとしてゐる女の心持がいやであつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)